iDeCoの「スイッチング」とは?——受け取り時期が近づいたらリスク資産をどう見直すか

iDeCoの運用商品を入れ替える「スイッチング」の仕組みと、受け取り時期が近づいた際にリスク資産をどう見直すべきかを解説します。

スイッチングとは何か

iDeCoの「スイッチング」とは、これまで積み立てた資産(残高)の運用商品を、別の商品に入れ替える手続きのことです。毎月の掛金の配分を変える「配分変更」とは異なり、既に積み立てた資産そのものを売却して別の商品に乗り換える点が特徴です。

スイッチングと配分変更の違い

  • 配分変更:これから拠出する掛金の投資先の割合を変更する手続きです。既存の残高には影響しません。
  • スイッチング:既に積み立てた資産を売却し、別の商品を購入し直す手続きです。積立総額はそのままに、中身の商品構成を変えられます。

なぜ受け取り時期が近づいたらリスク資産の見直しが必要なのか

  • 受給直前の暴落リスクを避けるため:株式などのリスク資産は長期的にはリターンが期待できますが、受け取り直前に大きな暴落が起きると、積み立てた資産が大きく目減りした状態で受け取ることになりかねません。
  • 「取り崩し」段階では回復を待つ余裕が少ない:積立期間中の暴落は時間をかけて回復を待てますが、受給が近い・受給中の暴落は回復を待つ時間的余裕が少なくなります。
  • 「出口」に向けて安定資産の比率を高めるのが一般的なセオリー:年齢とともに株式など値動きの大きい資産の比率を下げ、値動きが安定した元本確保型商品・債券型商品の比率を高めていく「グライドパス」の考え方が広く使われています。

スイッチングの具体的な進め方

  • 受給開始の5〜10年前から段階的に見直す:一度に全てを安定資産に切り替えるのではなく、数年かけて徐々にリスク資産の比率を下げていく方法が一般的です。
  • 受け取り方法(一時金・年金・併用)によって最適な比率は変わる:一括で受け取る予定なら受給直前により保守的に、分割で長期間受け取る予定なら多少のリスク資産を残すという判断もあり得ます。
  • スイッチングには手数料や手続き期間がかかる場合がある:金融機関によってはスイッチングに数日〜数週間かかることがあるため、余裕を持って手続きしましょう。

スイッチングの注意点

  • 売却タイミングによる価格変動リスクがある:スイッチングも「売って買う」取引のため、実行するタイミングの市場価格に左右されます。
  • 頻繁なスイッチングは推奨されない:短期的な値動きを見て頻繁に商品を入れ替えるのは、手数料の負担や判断の的中率の問題から、長期投資の観点では推奨されません。
  • iDeCoは60歳以降でないと原則引き出せない:スイッチングはできても、資産を現金化して引き出せるのは受給開始年齢に達してからです。

まとめ

iDeCoは受け取り時期が近づくにつれて、リスク資産から安定資産へ段階的にスイッチングしていくことが、受給直前の暴落リスクを避けるための基本戦略です。年齢・受け取り方法に応じた出口戦略を早めに考えておき、必要に応じて金融機関のスイッチング手続きを活用しましょう。

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